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タイの小学校に文房具を届けてくださった八代優香理さんにインタビュー

タイの小学校に文房具を届けてくださった八代優香理さんにインタビュー

【ワールドフレンズプロジェクト/スペシャルインタビュー】

REALE WORLDのさまざまなプロジェクト活動。そのベクトルは、子どもたちに「希望」を作ること、その「場所ときっかけ」を作ることに向いています。

今回は、「ワールドフレンズプロジェクト」を知り、縁のあるタイの小学校に文房具を届けてくださった八代優香理さんにお話を伺いました。

「私、運びましょうか」
その一言からすべてが始まった、タイでの「ワールドフレンズプロジェクト」

レアーレワールドは、代表の三好彩が、自宅の片隅で始めたフェアトレードショップ「ロロシトア」の売上を元手にスタートしたNPO団体です。

ロロシトアは、そこから少しずつお客様の輪が広がり、自宅の片隅だったお店は、気づけば「お店の片隅に自宅がある」に逆転。全国各地に「ロロファン」がいてくださるお店になりました。今は、株式会社MAYAのフェアトレード部門となって、多くのお客様に愛されながら成長し続けています。

それと並走するレアーレワールドの活動も、一つまた一つとプロジェクト活動が増え、多くの方々にご支援ご協力をいただきながら、実行・実現できるまでに成長し、今日に至っています。

今回、タイの小学校に寄付品を運んでくださった八代優香理さん。八代さんとの出会いは、MAYAの仕事がきっかけでした。

八代さんの勤務先は「KARE」という、ドイツに本社のある家具やインテリアを扱うショップです。東京のショップに伺ってお話をする中で、ドイツ繋がりということから、現地でプレーしている「ヒーロープロジェクト」の三好茜選手の話になり、そこからレアーレワールドの活動へと話題が移っていきました。

「ワールドフレンズプロジェクト」は、主に子どもたちがサイズアップして履けなくなったサッカーシューズなどを、途上国のお友達に届けるというプロジェクトです。

「自分たちで運ぶこと」「手渡し」を原則としていることや、最近の話として、スタディーツアーに参加してくれた大学生がウエアを運んでくれたことなどをお伝えしました。

「私、運びましょうか」

それは思いがけない言葉でした。にこにこと話を聞いてくださっていた八代さんが、「お茶でもいかがですか」というのと同じような空気感で、この言葉を発してくださったのです。

「え? 運んでくださるんですか?」

「私でよかったら、来週からタイに行くので、もしお役にたてるのであれば」

聞けば、八代さんのお母様、八代ルンガッパさんはタイのご出身で、お父様の八代広美さんと家族揃ってタイに帰省するとのこと。ご両親は、「できる範囲でできることを」という考えのもと、日頃からタイで寄付活動をされていると言い、そんな二人の姿を子どもの頃から八代さんは見てきたそうです。

「寄付先についても、おそらく両親ならわかると思います。よかったら聞いてみましょうか」

「自分にできることをする」のは、特別なことではなく当たり前のこと。寄付することにあまりに自然な八代さんの、お気持ちと申し出を受けて、話はそこからとんとん拍子に進んでいったのでした。

タイ出発前の事前ミーティングにて。八代さんと小野朋生さん、大東文化大学の同期の二人が奇しくもレアーレワールドで再会

ワールドフレンズプロジェクト×八代さんのアクション
その先にあったのは?

八代さんのご両親は、タイの病院や学校で寄付活動をされているとのことで、今回はサッカー用品ではなく、イベント会社の株式会社ベストプロデュース様からお預かりしていた大量のマジックペンのセットを、タイの小学校に寄付させていただくことで話がまとまりました。

こうした活動では、輸送において、入国にあたって、途上国になればなるほど行動を困難にするさまざまな壁が立ちはだかります。現地に信頼のおける方がいてくださることほど、安心で有り難いことはありません。

今回は、八代さんご自身が大量のマジックペンを運んでくださり、現地では寄付活動をよくご存知の八代さんのご両親がサポートしてくださって、本当にスムーズにお届けすることができました。

寄付先は、バンコクから北に500キロ離れたところにある、Kudrang Prachasan School。八代さん自身が幼い頃に少しだけ通った、地方の農村部にある小学校です。

貧困にあえいではいるわけではないけれど、都市部のような裕福で便利な環境ではない。全校児童110人のタイでも小規模な学校。

当日は、全校生徒が集まる朝礼の時間に場を設けてくださり、八代さんご家族が、校庭に集まった子ども達を前に寄付品を贈呈してくださいました。

先生は、子どもたちに、日本という遠くの国から、わざわざ届けてくれたことを話してくださり、「子どもたちが、日本語で『ありがとう』と言ってくれたんですよ」(八代さん)

夏の朝、女性が日本から来てペンを届けてくれたこと。NPOのフラッグ。みんなで「ありがとう」と言ったこと。

子どもたちの心と体のどこかに、この日の陽の光や風と共に、この出来事が記憶されたら、とても嬉しく、これらのペンが子どもたちに使われ、何かしらの豊かなものや彩り、何よりウキウキ、ワクワクする気持ちの生まれることに役立てられるならば、何よりと思います。

八代さんは、先生が子どもたちにされたお話が印象的だったと教えてくれました。

『この学校で育った卒業生が、大きくなって遠く離れていても母校を忘れないで恩返しをしてくれました。それは普通なかなか出来ることではありません。将来、皆さんが大きくなった時、自分たちの育った環境を大切にして、誰かのためにやってあげてね』

「今回のことを、先生がそのように捉えてくださった。そのことが、私にとってとても嬉しいことでした。私のしたことは、ただ運んだだけ。重大なことをしたわけではありません。素敵なお話を聞き、希望を繋げることができた。先生の言葉を聞いた時、誰かの思いが伝わった瞬間なんだなって思えて。先生がそれを言葉にして、子どもたちに『今度はあなたたちがやるんだよ』って、教育の一部として、人生の勉強・・・人としての勉強にもなったのかなって子どもたちの顔を見ながら思い、私にとって良い経験になりました」(八代さん)

人から人へ、手から手へ、運ばれて
「届けたいもの」は、みんなの手と心に届きました

タイは仏教の国。八代さんから「功徳を積む」という意味のタイ語を教えてもらいました。

日本人のお父様とタイ人のお母様から、二つの国の文化に触れながら育ち、生き様に触れて育ち、風土に触れて育ち・・・。「功徳を積む」という教えが、自然に心身に織り込まれ、自らのアクションからプラスが生まれるという在り方が身についている八代さん。それは、私たちレアーレワールドの<Future = Dream × Action><Take Action , Make the future>の在り方とも重なります。

故に、ワールドフレンズプロジェクトに自然に共鳴し、即応してくださり、そして、先生が子どもたちに伝えられたあの言葉に「結実した」、そう感じずにはいられません。

人と人が、その手と思いを重ね、行動する。
そこに生まれるプラスの波紋を大きく広げていきたい。
そして、そこからまた新しい出会いが生まれ、プラスの連鎖が生まれていく!

八代優香理さん、物と共に「思い」を運んでくださり、本当にありがとうございました。
お力添えくださったご両親様、先生方そして児童の皆さん、ありがとうございました。
もし、来日されることがありましたら、ぜひ、レアーレグラウンドに遊びに来てください。

私たちはこれからも数々のプロジェクト活動を通して、世界中の子どもたちの未来を作る活動を続けていきます。