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【ヒーロープロジェクト・スペシャルインタビュー】静岡SSUボニータ代表理事 三浦 哲治さん
三好茜選手が所属する静岡SSUボニータ
代表理事 三浦 哲治さんにインタビュー
REALE WORLDのさまざまなプロジェクト活動。そのベクトルは、いつも希望溢れる未来の実現、その「場所ときっかけ」を作ることに向いています。
その一つ、「ヒーロープロジェクト」では、場所ときっかけを作り、未来のヒーローを一人ひとり「育てる」ということに取り組んでいます。
ヒーロープロジェクトが育てる選手のひとり、三好茜選手は、現在なでしこ2部リーグの「静岡SSUボニータ」に所属しています。
ヨーロッパで活躍することを目標に、チームに所属をすることを希望し、彼女を受け入れてくれた静岡SSUボニータ。今回、チーム代表理事の三浦哲治さんにお話を伺うことが叶いました。三好茜選手のこと、そして私たちとの活動についてもお話しくださいました。
三好茜選手をみんなで応援して世界に羽ばたかせよう!
女子サッカー王国・アメリカで育った三好茜選手をもっと活かしたい!
三好茜選手は、アメリカの(IMG)アカデミー経験者ですよね。女子サッカー王国・アメリカ。その良さは「ゴールを奪うことへの執着」にあります。アメリカの国民性かもしれませんが、過程はどのようであってもいいからゴールを!という考えがベースにある。彼女はそういう環境で育っていますから、日本で育った選手とは違うものを持っていて、ボニータにとって非常に良いアクセントになっています。もっともっと活かせたらいいと思っています。
彼女には、「私はサッカーでプロになる」というメンタリティ(ものの考え方)があり、目標から逆算して努力することのできる選手だと感じています。そういうところが、アメリカで「スポーツ教育」を受けたメリットですよね。日本のスポーツ教育は、良くも悪くも「部活動」といいますか、学校教育の一環で、「私」ではなく「みんな」でやるのがスポーツだ、という考えがベースになっています。
女子サッカー王国との差は、そこに生まれると感じています。日本の学校教育とスポーツを通した教育は、別物。「自分はこれを目指している、だからこうする」というような考え方の教育はまさにそうで、スポーツにはスポーツだからできる「スポーツを通じた教育」があり、競争に打ち勝ち、失敗してもやり抜くというメンタリティの強化は、スポーツを通じた教育の良さ。学校教育、特に日本の学校教育では、なかなかこうしたメンタリティは育めません。アメリカのアカデミーで育ったことは、彼女にとって選手としてはもちろん、この時代を生きていく人間教育としても、非常に強みだと思うのです。
うまくいかないのがサッカー
だからこそ夢に向かってステップアップできる
公式戦の初戦で活躍したこともあって、今日の試合(第3節)も相手に厳しくマークされ思うようなプレーができませんでした。
うまくいかないのがサッカーです。この「壁」をどう打開していくのか。スピードなのか、パワーなのか、頭の回転なのか、技術なのか。この壁を打開するかは、正解というものはなく、自分で見つけていくしかありません。何かをプラスしないと。
チームもそうです。勝つことによって、特徴の活かし方がわかってくるというか、うまく使い分けていくというか。チームも変わっていかないといけません。
三好茜選手は、おそらくこれまでは「試合」をする環境になかったと思います。それが今の弱みではありますが、ゲームをやりながら良くなっていくでしょう。
アマチュアのトップリーグというこの環境は、彼女にちょうど良いと思います。彼女の夢はヨーロッパでプレーすることだと聞いていますが、まずアジア、そしてアフリカ。これらの地域でしたらボニータレベルでもトップレベルだと思いますから、ここでステップアップできたら、「ヨーロッパでプロ」も夢ではないと思います。 スポーツ=サッカーを通して、三好茜選手をはじめ所属する選手一人ひとりの夢が、この場所でステップアップすればいいと思っています。
レアーレとボニータ
スポーツの良さを共に分かち合い付加価値を創造していこう
今日は伊東市からお子さんたちや保護者の皆さんがたくさん応援に来てくださいました。
これからも応援に来ていただいた時には、試合後に選手たちと一緒にサッカーをしたり、時には私たちが伊東市に行って一緒に何かをしてもいいですね。やるのはサッカーでもいいし、サッカーじゃなくてもいい。「一緒に何かをする」活動が出来ると思います。
スポーツって「運動する」ことだけではなく、それを通して、いろんな付加価値を生み出せるものだと思っているんです。人と人との繋がりや動きが生まれ、それによってみんなが幸せを感じたり、ハッピーになって人生が良くなっていく。スポーツの良さってそれだと思っているのです。
スポーツはよく「勝負の世界」と言われます。全くその通りで、ゲームなので勝ち負けが生じます。ただ、確かに勝負の世界ではありますが「それだけ」ではありません。
勝敗が決まるから、負けた悔しさによって打ち克つ力が養われたり、グッドルーザー(Good Loser)という言葉もありますが負けても振る舞いが良かったり、勝っても奢らない人やチームが、お互いを讃え合い、仲間になったり、観客同士も仲良くなるとか。単に「勝ち負け」だけでは無いところに、スポーツの良さがあります。
ボニータはこれから、北海道や福岡、岡山、広島など、各地を転戦します。アウェーでの試合の際には、REALE WORLDの支援者の方々は全国各地にいらっしゃると聞いていますので、茜がビッグになって世界に羽ばたけるように、ぜひ応援いただけたらと思います。
■インタビューを終えて
「スポーツ」の捉え方や、「スポーツ」に対する海外と日本の価値観の違いについての、三浦代表の考えを直接伺うことができたことは大変光栄でした。私たちがNPO活動を通して実現しようとしていることとも重なり、三好茜選手が代表の考えに共感しチームに入りを希望したことに合点がいきました。
応援に来た子ども達に対しても大変寛容に受け入れてくださり選手と交流もさせていただき、さらには一緒に何かできたらいいねとの言葉、そのフレンドリーさと自由さにワクワクしました。
人と人との繋がりがサッカーを通して生まれていく、その動きを共に大きくしていけたらと願ってやみません。