- Coffee Project
【現地レポート】ヒムカフェの舞台裏〜ネパール・シャンジャのお母さんたちに会いに〜

2025年春、コーヒープロジェクト担当の松本が、産地であるネパールを訪問。
私たちがCoffee Projectで販売しているヒムカフェに使われるコーヒー豆を生産している農家を訪ねました。
コーヒーが苦手な方でも飲みやすいすっきりとしたクリアな味が魅力のヒムカフェですが、どんな場所で、どんな人々の手で、どんな風に育てられ、収穫されているのか、実際にその目で見たいと、遥々訪れたネパール。
現地を訪れたからこそ見えてきたこと、感じたことそのままを、松本が、現地レポートとして紹介します。
<HimCafeのふるさとシャンジャ訪問日記〜1日目>
2025年3月27日28日、ヒムカフェのふるさと、ネパールのシャンジャを訪ねました。
ジャンジャは、首都カトマンズから西に向かって陸路だと12時間のところにあります。
飛行機で途中まで行くこともできますが、今回は車で向かいました。
今回の旅に同行してくれたのは、FCレアーレ・ネパールのコーチであるアニッシュとニロージ。
朝6時にカトマンズを出発です。
ネパールの道は、朝のモヤなのか、ホコリなのか分からず、事前に聞いてはいたけれど、どこに行っても砂埃が本当にすごい。
みんなマスクをしていないけど、もう慣れてしまっているのか?
車は常にクラクションを鳴らし、鳴らされ、日本ではちょっと考えられない。
慣れてきて、クラクションは、「追い越すよ」「横通るよ」という合図で、コミュニケーションを取っているのだと分かると、鳴らされても気にならなくなりました。
片道12時間の旅の始まりです。
たくさんの人に協力してもらい叶った今回のネパール行き!
日本では、さまざまなマルシェでHim Cafeを販売し、ネパールのコーヒーについて、現地の担当から話を聞き、資料からの知識として知っていることを話してきたけれど、ようやく実際に現地を見ることが出来る!そう思うと嬉しくて、ドキドキもして、しっかり見聞きしてこなくては!と緊張もしてきました。

休憩は道路沿いにあるドライブインで、チャイとスープ。
すごく美味しい!辛いかと恐る恐るだったけど、そんなことはなく、これがネパールの人の一般的な朝食(軽食)らしい。
道々には大小のたくさんの屋台やお店(ドライブイン)があって、こんなに数があったら儲からないのでは?なんてことを思いました。
アニッシュ曰く、ドライバーさんや運送の人は決まったお店(ご贔屓?)があって、毎回そこに寄るから大丈夫なんだということ。
ネパールの人の逞しさを感じます。
道々には朝から人が、集まり、座って話をしている姿がところどころで見られ、日本とは違いすぎて、新鮮な驚きでした。
レストランの建物の下にトイレがあると聞き、行ってみて、中を見て、ものすごく悩む。
しかし、この後を考えると次がいつになるか分からないので、済ませておかないと、と一大決心をして済ませる。
事前の話としてトイレ事情は聞いていたけれど、トイレ選びはネパールの旅で一番大変だった点でした。
どこでも出会う 牛とヤギ、ここでは小屋に入っていたけど、放し飼いのような牛やヤギにたくさん出会いました。
私の拙い英語と、アニッシュの片言の日本語。
ネパール語で話す彼らの言葉は全く分からず、身振り手振りと翻訳機能を駆使し、言わんとしていることがなんとなくわかる、という道中でした。
ランチは、川沿いのレストランにてダルバート。
ダルバートは、ネパール人がほぼ毎日食べる定食的なセット。ご飯と豆のスープとカレー味の野菜の炒め煮やアチャールと呼ばれる即席漬けのようなもの、プラスお肉が食べたい人は肉のカレーをつける。
今回の旅で一番食べた食事。
3食ダルバートでもイケる!と思ったほど美味しい。
みんな同じようで、少し違う。
その違いを感じるのも、旅の楽しみになりました。

藁が積んである風景は日本にもあって、少し形は違うけれど懐かしい感覚になります
ネパールは電気のチャージスポットが多く、電動自動車が日本よりも普及しているという印象。
ガソリンも電気もインドからの影響を受けるのだとアニッシュ。
学校帰りの子供たちの姿。ネパールは小学校から制服がスタンダードとのこと。
子どもたちは試験が終わったー!!と、テスト用紙を破り捨てるのだそうで、白い紙がたくさん道に落ちていました。
車内では、音楽が大音量で流れます。ドライバーさんが運転しながら一緒に口ずさむ歌は、ネパールのサブちゃん的な感じだろうか?と思い、とっても親近感が湧く。
1日中乗っていたら、車内に流れるネパールの音楽にも慣れてきました。
そして、19:30、やっとシャンジャ到着。
本日はここで泊まりです。
ホテルについてすぐ、遅くまで私たちの到着を待っていてくださったシャンジャ地区のコーヒー農園のマネージャーMAYAさんにお会いしてコーヒーのことを聞く。
MAYAさんはJICAの農業研修で日本に1ヶ月ほど滞在したことがあるそう。
お話を聞きながら、シャンジャで採れたお豆でコーヒーを淹れていただきました。
MAYAさんは14年前、JICAの農業研修で日本に約1ヶ月滞在したことがあるそうで、今の自分がコーヒーの仕事に携わっているのはその時の研修に行ったからだと話されて、コーヒーを淹れてくださいました。
すごくスッキリした味わい。
ヒムカフェもそう!
後味がスッキリして美味しい。
「美味しいです!私はこのコーヒーが大好きなのです!」とお伝えしたら、すごく嬉しそうに
「シャンジャのコーヒーはスペシャルなのよ!」と、とても誇らしげなお顔が印象的でした。
明日は早朝からMAYAさんも一緒に農園を案内してくださるということで、夜も遅いので、お別れしました。
<HimCafeのふるさとシャンジャ訪問日記〜2日目>
朝、6時ホテル出発。
シャンジャ地区コーヒー生産プロダクションマネージャーMAYAさんの案内で山の上にあるコーヒー農園へ向かいます。
それにしても、この電線。
どれが何処の家のものかわかるのだろうか…。
山道を進み途中MAYAさんの知り合いのお店で朝食。
ネパールのご飯は自分に合っているようで、どこで食べても美味しい!
8時、農園に到着。
素敵な笑顔の女性たち!
後ろに写っている女性はいまコーヒープロジェクトで流れている動画にも映っていた方。
ディディ(お姉さんの意味のネパール語)は子どもいるのか?何人?と聞かれ、「2人」と答えると、「私は4人よ!」と言って豪快に笑う。
彼女たちについて歩き、コーヒーチェリーを見せてもらい一緒に摘んでみる。
手のひらにコーヒーチェリーをのせてもらう。
機械ではなく、こうやって人の手で摘み取っている。
これがヒムカフェになるのかと思うととっても愛おしい気持ちに。
コーヒーは白い花が咲くとのこと。
MAYAさんに写真を見せてもらう。
そこにミツバチが飛び受粉をして、赤い実・コーヒーチェリーができる。
それにはミツバチの働きが欠かせないのだそう。
一本の枝にたくさんのコーヒーチェリー。
私が訪ねた時はすでに最盛期は過ぎていて、収穫終わりかけの時期でした。
それでも、少し歩きながら採っていくとバケツ半分くらいに。
ネパールの女性たちは段々になった畑を身軽に、自由に動いて、どんどん収穫していく。
有機日陰農法、右はマンダリンの木。その横にコーヒーを植えてコーヒーの木に日陰を作る。
農薬は使わない。肥料は家畜の副産物。
本当に聞いていた通り。
コーヒーチェリーを積んだ後は洗浄して機械にかけ赤い実の部分とお豆とを分ける。
洗った後は天日でじっくり乾かす。
水分計でしっかり乾燥したことを確認して、麻袋に詰める。
作業の休憩中にMAYAさんがコーヒーを淹れてくださった!
いつもこうやって休憩の時に、コーヒーを淹れて飲んでいるのだそう。
ものすごく大胆なー!急須でお茶を淹れるような方法。
そして、やっぱり美味しい!
本当に洗浄を除いて全部手作業。
何処でも農業は大変だなと実感する。
この村でも、若い人は農業を敬遠して、農家を継ぐひとは少ないのだそう。
農業はすぐにお金にならないから、若い人はやりたがらない、とお母さんたちは言う。
日本でも、ネパールでもそこは同じ問題を抱えているのだなと、日本との共通点も知る。
今回コーヒー農園に行ってみて、今まで自分が思っていたことと大きく違っていました。
生活のためにコーヒーを作っている。
子どもたちを学校に行かせるため、生活のため、と言うことはもちろんそうなのだけど、それは全然かわいそうなことなんかじゃなく、日本でもネパールでも同じだと言うこと。
彼女たちが、シャンジャのコーヒーが一番美味しいでしょ!!って。
自分達の作っているコーヒーに自信と誇りを持っていること。
MAYAさんが入れてくれたコーヒーを飲んで、「すごく美味しい!」って言うと、みんな嬉しそうに、「そうでしょ!だってスペシャルなんだから!!」と。
そう言い切る彼女たちは、とても素敵だった。
これからヒムカフェを人に勧める時、紹介する時、きっとあの自信に溢れた笑顔を思いだすだろう。
自分の仕事に誇りを持つ。
ネパールで彼女たちから教えてもらったことでした。
(文章:松本美枝)
一袋のコーヒーが届ける希望
認定NPO法人レアーレワールドは、ヒマラヤの国ネパールのプレミアムオーガニック*コーヒー豆「HimCafé(ヒムカフェ)」の輸入販売を通して、ネパールの小さなコーヒー農家や立場の弱い女性たちの仕事づくりをサポートしています。
コーヒー販売から得た利益は、途上国の子どもたちが、サッカーを通して夢や希望を持って生きられるような環境づくりとサッカーシューズを送る送料にあてられます。
1袋250g入りのコーヒーをお買い上げいただくことで、1足のシューズをネパールをはじめとする途上国に届けることができます。
栽培する人、加工する人、飲む人、贈られる人、毎朝のコーヒーから笑顔の輪が広がります。